「物を売るってレベルじゃねぇぞ!SOL HOLDINGS(6636)」
要点:その名はスーパーソルガム。何がスーパーか。サトウキビより背丈が高く、1年間で2回の収穫が可能。高糖度で種まき後4ヶ月で収穫ができる。用途はシロップからバイオエタノールの原料と様々。そんなところがスーパーなのです。ところがこの神秘の植物、育ての親SOL HOLDINGSの資産を食いつぶしている様子。なんと売上高3200万円で損失が17億1200万円。「おい、物を売るってレベルじゃねぇぞ!」
■長男が稼いだカネを、次男、三男が食い潰す構図
SOL HOLDINGSは危うい会社の代表格です。メインの事業は3つ。
①:半導体
②:レストラン・ウエディング
③:スーパーソルガム
各事業の売上高と利益(損失)はこの通りです。
半:売上高 15億4400万円 利益8400万円
レ:売上高 11億9900万円 損失2億2300万円
ソ:売上高 3200万円 損失17億1200万円
会社全体:売上高27億9300万円 純損失30億7600万円
半導体事業は(決して良いとは言えませんが)、そこそこ稼いでいます。ところが、レストラン・ウエディングは完全に赤字、スーパーソルガムに至っては、スーパー赤字状態です。まるで長男が汗水たらして稼いだ給料を、次男がパチンコで、三男が悪い女に引っかかって、根こそぎかっさらっているかのようです。
会社全体で見ても、ひどいとしか言いようがありません。
■そもそもスーパーソルガムとは何物か
スーパーソルガムの用途は様々ですが、メインはバイオエタノールの原料です。タイ、インドネシア、メキシコなどで栽培されています。
この植物の本格的な栽培が始まったのは、2012年9月ごろ。
このとき、中国の猛烈な経済成長により、原油価格はつり上がっていました。2012年5月ごろには史上最高となる1バレル120ドル超、その後も110ドル前後で高止まりしていたのです。シェールオイルやバイオエタノールの開発・研究が盛んになったのは、このころでした。燃料ビジネスはカネの匂いを振りまいていたのです。
ところが2年後の2014年に中国経済に暗雲がたちこめ、原油価格は40ドル付近まで大暴落します。
それまでイケイケ状態だった燃料開発が、いっきに失速しました。スーパーソルガムもそんな憂き目を見たのでしょう。開発に前向きだった、タイ、インドネシアがプロジェクトに難色を示し始めたのです。
決算資料には、「タイ農業省から育成状況をもう少し確認したいと言われている」などという内容が書かれています。これは予想ですが、状況が急変した発注者にありがちな「引き伸ばし」、あるいは「生殺し」状態に陥ったのでしょう。種子の販売で何とか売上高3200万円を確保しましたが、損失は17億超と凄まじいものがあります。この状況が打開できる目処はたっていません。
■結婚式の受注数は目標80に対して39組。大丈夫か?
SOL HOLDINGSは”ステキでオシャレなレストラン”で有名な青山エリュシオンハウスを所有しています。その他、レストランを7つ運営していますが、主力はエリュシオンでの結婚式です。
結婚式の目標(というか最低限の獲得数)を80組としています。が、今期の受注数はまだ39組。1年先の顧客を獲得する結婚式ビジネスにおいて、この数字はかなりヤバそう。直近のカップルを受注すればするほど、単価は下がりますし。
やはりそのあたりを見込んでいるのか、今期は売上8億4000万円、損失3000万円と予想しています。ひょっとすると、損失はもっと膨らむのではないでしょうか。
■株券印刷できませんでしたね
この会社、今から2年前の7月にストックオプション発行を発表しています。ただし、平成26年7月4日から28年5月31日までに、株価が800円を超えた場合と条件をつけていました。まんまと株価は低空飛行。800円どころか、400円超えもままなりませんでした(現在は200円前後)。そんなこんなでストックオプション話は消滅しました。
資金も調達できないし、スーパーソルガムも売れないしでピンチなわけです。
ユーグレナが良い例ですが、燃料がダメなら健康食品か美容で勝負するしかないんじゃないですか?流行りの「水素ソルガム」とかで。