森下仁丹(4524)は、営業を本気で頑張るか、IRで投資家を煽るべき
要点:森下仁丹は、もはやフリスクの骨董品のような丸薬を販売している中小企業ではありません。シームレスカプセル(切れ目のないカプセル薬です)で競争力をつけた前途有望な企業です。内臓のどこで薬を溶かすか、その設計までできる素晴らしい技術です。それなのに、低位株から抜け出せられない理由は2つ。
①:IRが不十分
②:営業力が弱い
だから、バイオベンチャー(という名のうたかた)に遅れをとってしまうのです、という話。
■カプセル技術に隠された5つの利点
仁丹。その昔、おじいちゃん、おばあちゃんが口にしていました。口臭を消すことから多くの人に親しまれましたが、あの匂いは正直どうなの?という感じもしました。今になって考えれば、フリスク・ミンティアの先取りをしていましたね。
とはいえ、先を走り過ぎていたゆえに、市場からは姿を消してしまいました。
ところが森下仁丹という会社は消えません。丸薬開発で素晴らしい技術を身に着けていました。シームレスカプセルです。
このカプセルには5つのメリットがあります。
①:カプセルの直径が自由に設計できるので、子供から高齢者まで細かな服用設計ができる
②:口、胃、腸、大腸。どこで薬が溶けるか設計ができる
③:苦味が完全に隠せる
④:切れ目がないので、中の薬が酸化しにくい(劣化しにくい)
⑤:カプセルの中にカプセルが作れる(複合製剤が可能)
「ガンの特効薬開発してまーす。うぇーい」とか言ってるバイオベンチャーより、よっぽど地に足がついていませんか?
■しかもレアメタル、シロアリ駆除にも応用できる万能技術
この技術、薬というカテゴリーには収まりません。レアメタルイオンを還元するバクテリアをカプセルで包み、産業排水からレアメタルを回収する技術開発も進めています。また、カプセルに殺虫剤を入れ、シロアリを巣ごと破壊する害虫駆除にも応用できるのだとか。将来的にはゴキブリにも適用してほしい技術です。
こんなに優れた技術を持っているのに、どうしてIRで投資家を煽らないのでしょうか?昨年、5月7日にビフィズス菌を利用した抗アレルギー剤の特許取得から、会社からの発表が途絶えています。おそらく、真面目すぎるゆえでしょう。ちゃんとした裏付けがないと公表できない。いや、いいんですよ、夢と希望で発表しちゃえば。
バイオ系の会社は「このカプセル、がん細胞で溶けるんです。がん細胞でしか溶けないんですよ、うぇーい」くらい煽ってみるのも一つの手です(IR芸と呼ばれる手法に墜ちない程度であれば)。
■医薬品カプセルの売上が落ち込んでいる、闇
平成28年3月期のカプセル事業の売上高は37億9600万円、前期比3億5400万円の増収。セグメント利益は、昨年から3億2600万円増えて6億円。好調に見えますが、ほとんどがフレーバーカプセルによるもの。
フレーバーカプセルとは、三井物産と協力して北米で販売しているサプリメント用の商品です。つまり、三井物産の商社マンが「これ、いいっしょ?」とか言いながら「うぇーい」と叫びつつ売っているものです(イメージです、すみません)。シームレスカプセルの本来の力をあまり発揮できていません。健康食品、サプリメントの枠組みに収まっています。
恐るべきことに、医薬品カプセルの受注は落ち込んでいるのです!
お願いです、森下仁丹さん。優秀な営業マンを、外資系製薬会社からヘッドハンティングして下さい。そうすれば、必ず株価は上がります。安定もします。それどころか、世界的な企業へと成長するかもしれません。
または、海外のファンドが会社ごと買い付けて一気に資産価値を上げる、ブースターが必要なのでしょうか。
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