ウエディング企業はプラン・ドゥ・シーを超えることができないのかもしれない
要点:非上場企業プラン・ドゥ・シー。ゲストハウス型婚礼施設の嚆矢となった会社です。そのビジネスモデルを踏襲して日本中に広めたのがテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)とノバレーゼ(2128)でした。中国への先行投資が失敗し、業績が悪化する一方のT&G、一歩一歩着実に歩みを進めるノバレーゼ。両社の命運はプラン・ドゥ・シーモデルの枠内に収まるか、飛び出すか。そこが分かれ目になっているようですね、という話です。
■中国への先行投資50億円の結果を”そっ閉じ”したT&G
テイクアンドギヴ・ニーズの業績落ち込みが勢いを増しています。28年3月期の売り上げ高は前期比0.4%増の595億2400万円だったものの、営業利益は48.8%減の15億4500万円、経常利益は50.5%減の13億7700万円でした。
今期は売上高600億円、経常利益15億円(8.9%)を見込んでいます。ゲストハウスを前期で2店舗オープンしているため、売り上げは600億に届くでしょう。しかし利益が出るかどうかは眉唾ものです。毎年婚礼単価・婚礼組数が落ち込み、新規事業であるホテルやドレスへの投資が膨らみそうだからです。
T&Gは2010年ごろから中国への積極投資に動きました。当時、中国の婚礼市場は2013年の時点で8兆円を超えると予想されていました。その1%でも獲得できれば800億円の売り上げになるというわけです。
市場規模は順調に拡大しているようですが、T&Gの中国ビジネスは鳴かず飛ばずの様子。中国の婚礼ビジネスには2つの大きな落とし穴がありました。
①:日本のゲストハウスで結婚式を挙げる理由がない
②:参入障壁が低く、簡単にマネできてしまう
中国人にとって、T&Gブランドは何ら影響力を持っていません(そもそも日本でもありませんが)。ヒルトンやマリオットと比較すれば、一目瞭然。現地の人にとって、そのブランドでどうしても結婚式を挙げたいと思わせる価値はありません。
そしてゲストハウス運営は単なる箱物ビジネス。大したノウハウはありません。すぐにマネされてしまいます。仮に、稼げるゲストハウスが1つできたとしても、周辺には似たような施設が、雨後の筍のように出てくるのです。
T&Gは2012年に50億円もの中国投資を行っています。ウエディング企業としては、異例の投資額です。
しかしながら、現在の成長戦略の中に中国の文字は消えています。代わりに台湾やインドネシアを重要拠点に据えています。が、それよりも国内事業の立て直し、ホテル事業への参入を高く掲げているようです。要するに、中国事業は大失敗し、その事実を”そっ閉じ”しています。
■プラン・ドゥ・シーモデルを踏襲したノバレーゼは堅調
一方、ノバレーゼは堅実に歩みを進めています。27年12月期の売上高は前期比6.1%増の153億7500万円、営業利益は16億600万円(10%増)、経常利益は16億7900万円(10%増)です。
ノバレーゼは中国を初めとした海外展開には興味を持っていません。国内の既存・新規施設への投資が中心です。そのため、婚礼単価が400万円後半と非常に高いです。受注組数が昨対で4.2%減の3139組と減少していますが、売上・利益ともに増加している背景はそこにあります。
ちなみに、T&Gの国内婚礼単価は400万円を切って、390万円にまで落ちました。海外にばかり目が向いて、国内のゲストハウスにヒト・モノ・カネが投下できなかったツケが回っています。
ノバレーゼは重要文化財に指定されている施設で結婚式を行う「文化財ウエディング」が人気です。金沢の辻家庭園や大阪の旧桜宮公会堂などです。単なる”箱”を用意するのではなく、”歴史”というストーリー性を盛り込みました。非常に優れた戦略だと思いますが、これはプラン・ドゥ・シーが先行して行うビジネスモデルです。
プラン・ドゥ・シーはカワブン・ナゴヤやソウドウ・東山の運営会社です。どちらも人気大爆発のドル箱です。2つの会場には共通点があります。歴史的な建物をリニューアルしていることです。カワブンは料亭、ソウドウは名家のお屋敷でした。
最近では、大阪市公館のガーデンオリエンタル大阪、元赤坂プリンスの李王家東京邸の赤坂プリンスクラシックハウスをオープンしています。どちらも、よくぞその場所を抑えたといったところですね。
■国内投資はロジカルシンキングが出した答え
プラン・ドゥ・シーは、ITやコンサルティング企業のようなロジカルシンキングが徹底されている会社として有名です。それまで婚礼業界の常識だった”お花畑”営業からいち早く抜け出しました。それが大成功の秘訣と言われています。
この会社、社員を毎年海外の一流ホテルやレストランに研修で送り込んでいます。それくらい海外事業には興味津々なのです。しかしながら、そちらへの投資はほとんど行っていません。
ロジカルに出した答えが、国内に留まっておけ、ということなのでしょう。
この会社のビジネスモデルを”いい意味”で超えられるかどうかが、婚礼業界の突破口となりそうです。ただし、T&Gのような悲惨な結果になる終わるリスクもはらんでいる、ということですね。
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ハウス食品(2810)は可愛い顔してヤルことは結構ヤル
要点:フルーチェ、バーモントカレー、北海道シチューといえば、ハウス食品。テレビCMではAKBや武井咲を全面に押し出して、可愛さ満点な感じです。ところが、ビジネス面では香辛料、カレーの分野で寡占化を進めている超大人な企業。昨年12月にはCoCo壱番屋、そして今月ギャバンの買収へと動きました。日本人大好物の”カレー”がハウス食品に牛耳られている!という話。
■ギャバンの買収金額は66億円
ハウス食品は味の素が持っている株式の公開買付けにより、香辛料で有名なギャバンを買収すると発表しました。1株の買い付け金額は710円。買収金額は66億円となる予定です。
この買収には2つの側面があるでしょう。
①:香辛料調達先の安定化
②:新たな事業柱の確立
■ギャバンは香辛料調達先を世界中に確保
ハウス食品は世界中から香辛料を仕入れています。資源開発の商社と同じように、調達先を可能な限り開拓し、仕入れ先を決める形です(一部商社からの輸入)。
香辛料の原産地の多くは熱帯・亜熱帯。為替や政治情勢に価格が左右されやすいものの一つです。日本においては、ハウス食品、S&B、ギャバン3社の寡占状態が続いていました。ハウスはギャバンを買収し、調達先と工場、物流網を抑えたことになります。CoCo壱番屋にも100%香辛料を提供しているハウス食品は、原材料の安定供給が急務でした。
スパイス市場においては、S&Bが42.2%のシェアを占め、ハウス食品は17.6%。ギャバンは約5%でしたので、22%超を占めたことになりますね。調達先を拡大し、じわじわと市場を浸食しています。
■飲食店向け香辛料卸売ビジネスが新たな事業の柱に
ハウス食品の事業は大きく分けて3つありました。内容と28年3月期の売上はこんな感じです。
①:香辛料加工 1200億円
②:健康食品 345億円
③:海外食品 185億円
ここに4つ目の事業柱がプラスされました。CoCo壱番屋の買収による外食事業です。売上高はおよそ183億円。前期比173%という大幅増になりました。
ギャバンはプロ向けの香辛料が主力。多くの飲食店に販売チャンネルを持ち、B to Bビジネスに強い会社。28年3月期の売上高は95億円、今期は98億円を見込んでいます。
今回のギャバン買収により、ハウス食品は更に新たな事業柱を構築したわけです。家庭向け商品、外食、飲食店向け香辛料と寡占化を進めているといえます。
一度口にすると、やみつきになるカレーは麻薬と並行して語られることがあります。それを牛耳るハウス食品は、さながらマフィアのようでもありますね。
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【関連News】
ハウス食品が5月12日に決算を発表。16年3月期の連結経常利益は前の期比10.9%増の121億円に伸びたが、17年3月期は前期比7.8%減の112億円に減る見通しとなった。
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PER59倍を気にしない人にオススメしたい優良企業サガミチェーン(9900)
要点:「和食麺処 サガミ」「味の民芸」でお馴染みのサガミチェーン。業績が好調です。16年3月期売上高は昨対で2.2%増の258億8700万円。経常利益は38.6%増の8億7600万円でした。17年3月期の予想を売上高0.4%増の260億円、経常利益を3.8%増の9億5000万円と見込んでいます。この会社が優良企業だと感じるのは以下の3点。
①:他社のFCを積極導入し、ノウハウをモノにすると素早く切り離す”したたか”な姿勢
②:海外事業を中国ではなく、ASEANに展開する細かい戦略
③:財務状況が健全
ただし、PER59倍が気になります、という話。
■物語コーポレーション「丸源ラーメン」のスープを残さず飲み干した模様
サガミチェーンは極めて地味な会社です。業績も2011年までは今ひとつでした。10年3月期は12億2000万円、11年3月期は7億4200万円純損失。しかし2010年ごろから徹底した不採算店舗の潰し込みを行っています。それにより、12年3月期は純利益4億4700万円、13年3月期5億9500万円、14年3月期4億5800万円の黒字と比較的順調に回復しました。
そんな中、2010年ごろから新たな収益の柱として据えたのが、他社のFC出店でした。オーバンの「たい夢」、物語コーポレーションの「丸源」、アークランドサービスの「かつや」。FCに加盟し、店舗を次々と出店します。
ところが16年3月期で丸源ラーメン3店舗を事業譲渡しました。ラーメン店のノウハウを吸収するだけして、終わればポイッという感じがします。でも、いいんです。それが生き馬の目を抜く資本主義社会です。”したたか”こそが”美徳”の世界。
■中国事業はマジでやめた方がいい
コメダ珈琲が中国へ進出するとの噂が飛び交っていますが、あの国に店を出すのはかなりの気合がいります。なぜか。過剰な不動産開発を行った中国の負の遺産と、顧客ターゲッティングの難しさです。
中国は政府主導の積極的なインフラ投資により、2000年に入って都市部の不動産開発が爆発的に進みました。しかしながら、過剰な投資が災いし、住宅における空室率は20%を超えています。それは商業施設も同じです。
中国側は余りに余った広大なスペース・店舗を、可能な限り高値で(日本側に)売ろうとしています。面子を気にしがちな飲食企業(餃子の王将とか)は、そんな話にのっかって、投資額を膨らませて大型店舗を出店してしまいます。それが失敗の原因です。
中国ビジネスの難しさはもう一つあります。それは、顧客層の絞りにくさです。日本は(かなり変化したものの)1億総中間層と言われるほど、貧富の差が少ないと言われています。それが日本国内でチェーン系飲食店が拡大する要因でもありました。
ところが中国の場合、都市部での貧富の差が激しいだけでなく、都市部と地方で文化そのものが異なります。いくら人口が多いとはいえ、ターゲッティングが非常に難しい国だと言えます。
■ASEAN中心の海外展開
そんなわけで、サガミは中国展開よりも東南アジア地域への出店を強化しています。インドネシア、タイが中心です。イオンなどのショッピングモールに設けられた、フードコートへの出店がほとんどです。細かく、顧客セグメントがしやすい場所へと寄せているのがわかりますね。
ちなみにインドネシアは現在富裕層・中間層が全人口の30%。2020年までに50%へと拡大する見込みです。
■バランスシートの数字が良いです
財政状況が比較的安定していると思います。直営店が多い飲食企業の中では珍しいタイプです。
27年3月度 28年3月度
流動資産 43億4300万円 51億74000万円
固定資産 136億3500万円 136億7700万円
流動負債 39億8800万円 35億1600万円
固定負債 25億4600万円 19億4400万円
流動資産が流動負債を大きく上回っています。固定負債も極めて少ない数字。店舗リニューアルをほとんど必要とせず、中長期的に見ても1店舗当たりの投資額が少ないようです。
気になるのは株価純資産倍率(PER)が59倍を超えているところ。やはり投資家の方々は先に目をつけていますよね……。株を買う際は、会社の成長性、安定性、財務健全性と現在の株価を天秤にかけたときにどうか。という難しい判断を迫られます。
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「酔虎伝」のマルシェ(7524)はそろそろ酔拳とか出さないとヤバい
要点:居酒屋「酔虎伝」や「八剣伝」、「居心伝」を運営するマルシェ。今期の経常利益が53%マイナスの8200万円と、いよいよ瀬戸際へと追い込まれました。このあたりで酔拳の一つでも出して大逆転を狙わないと、いよいよヤバいですよ、という話。
■売上高減少の悪循環
5月13日に発表した決算によると、28年3月期の売上高は昨対で4.5%減の97億5000万円。29年3月期売上高は更に4.6%マイナスの93億円を見込んでいます。直営、フランチャイズともに売上減という泥沼に足をとられてしまいました。
店舗別に見ると、売上高はこんな感じです。
27年3月期 28年3月期 増減
▼酔虎伝 11億6000万円 10億8200万円 -6.9%
▼八剣伝 27億5600万円 25億1900万円 -8.6%
▼居心伝 9億6700万円 10億3200万円 6.6%
主力店舗3つのうち、2つがマイナス成長。そのほか、「楽待庵」「八右衛門」「串まん」も前年度割れです。
■店舗が次々と閉店に……
直営、フランチャイズともに店舗の閉店が止まりません。不安ばかりが募ります。
店舗増減
27年3月期 28年3月期
▼酔虎伝(直営) -4 0
▽酔虎伝(FC) 1 -1
▼八剣伝(直営) -19 -10
▽八剣伝(FC) -6 -11
▼居心伝(直営) -3 -4
▽居心伝(FC) 3 0
ワタミのように、新たな業態へとチェンジするための閉店なら良いと思います。または、徹底的な膿出しをしている姿勢があれば、多いに閉店も賛同します。
どうも、そういうビジョンが見えません。
■戦略に具体性は一切ナシ
中長期計画を見ると、衝撃の内容が。ざっくり、こんな感じです。
問題点
▼直営店事業
・フランチャイズの模範となる収益モデルになる必要性があると認識
・経営効率と店舗運営効率を高める必要があると認識
▼フランチャイズ事業
・アフターサービスの充実が必要であると認識
▼新規フランチャイズ事業
・第4の柱となるFCパッケージが必要と認識
これらに対するマルシェの対策・施策。
▽直営店事業
・魅力ある店舗とすべくリブランディングに努める
・高度な角度から出店計画を策定
疑問①「リブランディングって何?」
疑問②「””高度”な”角度”って何?」
▽フランチャイズ事業
・加盟店へのアフターフォロー体制を強化
疑問③「コレって、問題点のオウム返しじぇね?」
▽新規フランチャイズ事業
・第4の柱となる魅力ある新規FCパッケージを創出する
疑問④「ですから、問題点のオウム返しですよね?」
いち早く新業態を創ることが喫急の課題です。ジャッキー・チェンのように、アルコールをしこたま飲んで、振り切った技(酔拳)を出した方が良いと思います。
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【関連News】
当社の保有する固定資産のうち、収益性の低下がみられた店舗について「固定資産の減損に係る会計基準」 に基づき、減損損失を 409 百万円計上いたします。 なお、既に計上している平成 28 年3月期第3四半期累計期間の減損損失計上額を含めた平成 28 年3月期 における減損損失計上額合計は、420 百万円であります。
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森下仁丹(4524)は、営業を本気で頑張るか、IRで投資家を煽るべき
要点:森下仁丹は、もはやフリスクの骨董品のような丸薬を販売している中小企業ではありません。シームレスカプセル(切れ目のないカプセル薬です)で競争力をつけた前途有望な企業です。内臓のどこで薬を溶かすか、その設計までできる素晴らしい技術です。それなのに、低位株から抜け出せられない理由は2つ。
①:IRが不十分
②:営業力が弱い
だから、バイオベンチャー(という名のうたかた)に遅れをとってしまうのです、という話。
■カプセル技術に隠された5つの利点
仁丹。その昔、おじいちゃん、おばあちゃんが口にしていました。口臭を消すことから多くの人に親しまれましたが、あの匂いは正直どうなの?という感じもしました。今になって考えれば、フリスク・ミンティアの先取りをしていましたね。
とはいえ、先を走り過ぎていたゆえに、市場からは姿を消してしまいました。
ところが森下仁丹という会社は消えません。丸薬開発で素晴らしい技術を身に着けていました。シームレスカプセルです。
このカプセルには5つのメリットがあります。
①:カプセルの直径が自由に設計できるので、子供から高齢者まで細かな服用設計ができる
②:口、胃、腸、大腸。どこで薬が溶けるか設計ができる
③:苦味が完全に隠せる
④:切れ目がないので、中の薬が酸化しにくい(劣化しにくい)
⑤:カプセルの中にカプセルが作れる(複合製剤が可能)
「ガンの特効薬開発してまーす。うぇーい」とか言ってるバイオベンチャーより、よっぽど地に足がついていませんか?
■しかもレアメタル、シロアリ駆除にも応用できる万能技術
この技術、薬というカテゴリーには収まりません。レアメタルイオンを還元するバクテリアをカプセルで包み、産業排水からレアメタルを回収する技術開発も進めています。また、カプセルに殺虫剤を入れ、シロアリを巣ごと破壊する害虫駆除にも応用できるのだとか。将来的にはゴキブリにも適用してほしい技術です。
こんなに優れた技術を持っているのに、どうしてIRで投資家を煽らないのでしょうか?昨年、5月7日にビフィズス菌を利用した抗アレルギー剤の特許取得から、会社からの発表が途絶えています。おそらく、真面目すぎるゆえでしょう。ちゃんとした裏付けがないと公表できない。いや、いいんですよ、夢と希望で発表しちゃえば。
バイオ系の会社は「このカプセル、がん細胞で溶けるんです。がん細胞でしか溶けないんですよ、うぇーい」くらい煽ってみるのも一つの手です(IR芸と呼ばれる手法に墜ちない程度であれば)。
■医薬品カプセルの売上が落ち込んでいる、闇
平成28年3月期のカプセル事業の売上高は37億9600万円、前期比3億5400万円の増収。セグメント利益は、昨年から3億2600万円増えて6億円。好調に見えますが、ほとんどがフレーバーカプセルによるもの。
フレーバーカプセルとは、三井物産と協力して北米で販売しているサプリメント用の商品です。つまり、三井物産の商社マンが「これ、いいっしょ?」とか言いながら「うぇーい」と叫びつつ売っているものです(イメージです、すみません)。シームレスカプセルの本来の力をあまり発揮できていません。健康食品、サプリメントの枠組みに収まっています。
恐るべきことに、医薬品カプセルの受注は落ち込んでいるのです!
お願いです、森下仁丹さん。優秀な営業マンを、外資系製薬会社からヘッドハンティングして下さい。そうすれば、必ず株価は上がります。安定もします。それどころか、世界的な企業へと成長するかもしれません。
または、海外のファンドが会社ごと買い付けて一気に資産価値を上げる、ブースターが必要なのでしょうか。
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株式の投資単位の引き下げに関しましては、全国証券取引所の「売買単位の集 約に向けた行動計画」の売買単位を 100 株に統一する計画に従って、株式市場の 動向、当社株価水準等を総合的に勘案した上で、実施に向けて検討してまいりま す。
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6月上場のコメダ珈琲は話題性でバブっている内に売るのが得策
要点:外食系、久々の大型案件です、コメダの新規一部上場。現在の680店舗から全国1000店を目指す成長性、業績が急拡大した話題性、誰でも知っている知名度。そんなわけで新規公開株(IPO)を手に入れようと、様々な投資家が食指を伸ばしています。が、個人的には長期で持つ株ではない気がしています。なぜか。大株主のMBKパートナーズは何が何でも手持ち株を短期で、かつ高値で売却しようと目論んでいるはずだからです。なので、長期投資には向かないでしょう、という個人的な意見です。
■MBKパートナーズとは何者か?
韓国系の私募ファンドです。7人という超少数で始めたものの、1年で約1兆ウォン(1ウォン=約0.09円)もの資金を集めたことで有名。創業者のキム・ビョンジュ氏は米カーライル・ファンドのアジア代表を務めた人物でした。
創業者チームはカーライルの血と哲学が流れ込んでいる集団です。
カーライルはバイアウトやレバレッジド・ファイナンスで有名な会社。早い話が、会社を安値で買い付けて、高値で売りましょうという手法に長けています。
その土壌から芽を出したMBKパートナーズが、コメダの買い付けに走ったのが2013年。買収額は430億円とも言われています。
■買収当時のコメダの株式価値は330億円
MBKが買収する前に12%の株主だった、ポッカの開示によれば売却額は40億円。これを100%換算すると、コメダの株式価値は330億円だったことになります。コメダの負債100億円程度を抱え込んだ形。
EBITDA倍率(会社が稼ぐ能力に対する買収額)は12倍を超えており、決して安い買い物ではありませんでした。さぞかし高値で売りたいでしょう。
■経常利益14億円から40億円に急拡大!は要注意
コメダの2014年2月期の売上高は70億6100万円で、経常利益は約14億円でした。2016年2月期は売上高115億円、経常利益は40億9000万円に急拡大しています。しかし、これを額面どおりに受け取ってはいけません。
MBKパートナーズがコメダ買収を行ったのが、2013年1月。経常利益を押し下げているのは、企業買収時の借り入れが影響しています。ここは営業利益に注目するべきです。
▼営業利益
2013年2月期 29億3600万円
2014年2月期 34億3700万円
2015年2月期 39億5000万円
2016年3月期 42億5200万円
急拡大しているというよりは、順調に成長しているといった印象に変わりますね。
あまり知られていませんが、コメダ珈琲は14年度の時点で直営店が9店舗。この会社のビジネスモデルは、典型的なフランチャイズモデルです。加盟店を着実に増やして、利益を稼いでいるのです。それはつまり、上場による資金調達をするメリットがほとんどないということでもあります。
今回の上場は、MBKが資金を得ることが目的。そう考えて間違いなさそうです。
ロックアップ期間はまだ公表されていないようです。人気株であるがゆえに、市場で高値をつけさせ、その後相対取引(あいたいとりひき:市場を通さず、個人・企業間で直接取引すること)で大量に株の放出を狙っているような気がしてなりません。フランチャイズのビジネスモデルは長期的にみて、急拡大する可能性が少ないからです。抜け目ない彼らは、早め、早めで動くでしょう。
なので、IPOを手に入れた方はご注意ください、という私見でした。
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レッド・プラネット・ジャパンは問題が山積みのまま、見切り発車でホテル用地を買ったっぽい
要点:ホテル運営などを行うレッド・プラネット・ジャパン(3350)は、5月20日に北海道札幌市中央区の土地768㎡を取得したと発表しました。平成28年6月に代金を支払い、平成30年3月にホテルをオープンする予定。驚いたのは、取得金額が明記されていないこと。しかも理由は「守秘義務の都合により」とあります。「おいおい、上場(クソ株)企業に守秘義務なんてものはねぇんだよ」という投資家の方々の恐いお言葉が聞こえてきそうです、という話。
■ゴールデンボンバーで株価急騰も、長続きせずホテル・飲食事業に
レッド・プラネット・ジャパンを知っている方は、ゴールデンボンバーに精通している方かもしれません。ビジュアル・インディーズ系CDのレーベル卸売業者として有名な会社です。彼らがスマッシュヒットした際、株価が暴騰しました。そんな話も今は昔。今では1株29円、単元100という駄菓子同然の株へと落ち着きました。
2012年末に東南アジアでホテル・宿泊事業を展開する会社の資本が入り、2013年から本格的にホテル運営を開始しています。2014年には飲食事業にも参入しました。
ところが2つの事業ともに、どうも上手くいっていないようです。
■ホテル建設の進捗は遅れ、飲食事業の売却先は見つからず……
レッド・プラネット・ジャパンは名古屋市中区錦の物件を開発している他、中部国際空港(セントレア)のホテル建設を進めています。セントレアホテルは平成29年中にオープンする予定でしたが、どうやら目処がたっていないようです。
理由は明らかにされていませんが、人材不足(=人件費高)や建築資材費高による、計画の延期・凍結はよくあること。想定以上に投資額が膨らんでいることは容易に想像がつきます。
同時に、この会社は不採算事業の切り離しと資金調達のため、飲食事業の売却を進めています。今年1月に、「4月中に売却する」と発表しました。しかし、3月にそれを延期し、「6月中に売却します」と改めています。金額面で折り合いがつかなかったのでしょう。だ、大丈夫なのか、と心配になりますね。
そんな不安材料を覆す今回の土地取得ニュースだったわけですが、資金をどこから調達するのかよくわかりません(しかも取得金額は不明)。
■平成28年9月期第2四半期は5億9100万円の赤字
2Qの売上高は25億3600万円(24.2%増)ですが、赤字額は昨対で2倍を超えています。ホテル、飲食、音楽、すべての事業で赤字です。
インバウンドで宿泊客が増加するとはいえ、足元を見ないで開発を進めることに、若干の不安を感じるわけです。そして投資家の方々の不安と恐怖、そして怒りをひしひしと感じています。
どうか、土地取得代とホテル建設費用を埋める、ステキな投資家が現れますように。
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【関連News】
レッド・プラネット・ジャパンは、平成 28 年 4 月 20 日付で、会計監査人である新日本有限責任監査法人との監査 及び四半期レビュー契約を合意解除することとなった。
今後は東京第一監査法 人を一時会計監査人として選任する予定。
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