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ビールを飲む理由

飲食店オーナーを目指すサラリーマンが、日々収集したフードビジネスやサービス業についての情報を書き込む備忘録

外食経営のトレンドは「金太郎アメ」から「水アメ」型に変わっているのかもしれない

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画像:バルニバービ

要点:外食企業バルニバービ(3418)が、不動産開発の日本エスコン(8892)と提携し、大津駅に簡易宿泊施設をオープンします。施設運営をバルニバービが手掛け、物件への一部投資と経営ノウハウを日本エスコンが提供するというもの。協業して別業態への新たな店舗展開をするといえば、「WIRED CAFE」を運営するカフェ・カンパニーが、「NIKO AND…」のアダストリア(2685)と共同出資し、アパレルとカフェの融合店を運営する新会社を立ち上げると発表していました。外食企業は、店舗開発、チェーン展開、ドミナント戦略フランチャイズといった、金太郎アメ型経営スタイルが主流。それが今は、いろいろな業態と融合する水アメ型になっているのかもしれません。とくに”イケてる”企業においては、という話。

 

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画像:プレジデントオンライン

■それにしても社長がイケてますね

 上の写真はバルニバービ社長の佐藤裕久さん、下はカフェ・カンパニー社長の楠本修二郎さんです。バルニバービはカフェ「GARB」、カフェ・カンパニーは「WIRED CAFE」を運営しています。オシャレな店舗を運営している会社の社長は、いで立ち、顔だちが外食企業離れしている気がしますね。

↓ここからが本題です

■金太郎アメ型経営スタイルのメリット・デメリット

 大庄ワタミコロワイド。業態は若干違いますが、かつて一世を風靡した外食大手企業です。ビジネスモデルは、”稼げる店舗”を開発し、徹底的な経営効率を図る。同じ業態を同エリアに広げて(ドミナント戦略)認知度を上げ、一息に横展開。フランチャイズオーナーを募って全国に拡大する。それが外食企業経営の定番でした。

 同ブランドのお店が、製造業のようなマニュアルに沿って生み出されていったのです。それはまるで金太郎アメの製造現場のようでした。

 2000年くらいまではそれでよかったのです。なぜなら、情報が今より圧倒的に少なかったからですね。冒険して”ヘンな店”に飲みに行くより、そこそこおいしい料理が提供されるお店の安心感を消費者が選んだからです。

 ビジネス的にもチェーン展開はメリットが多いです。

▼徹底的にマニュアル化されていたので、スタッフを育てる手間が省ける

▼業態開発の手間がなく、物件探しに集中できる

▼出店コスト、食材費、販管費など、先読みが容易

▼ちょっと名が知られれば、フランチャイズに加盟したいという建設会社社長なんかが簡単に見つかった

 チェーン、フランチャイズ店から消費者が離れた理由は2つ。

①情報過多であること

②消費者が情報の発信者になったこと

 ①は説明するまでもないですね。②はSNSの発達により、消費者の発信したいニーズが増えたことです。フェイスブックやインスタグラムを使いこなす若者たちにとって和民は力不足。オシャレな雰囲気でエメラルドグリーン色のカクテルを飲む写真を投稿したいのです。

 さらに昨今では、チェーン系のデメリットばかりが目立つようになりました。アルバイトやスタッフが店長を訴えるケースが増えていますね。あれは、店長が店舗へ愛情を持っていない典型的な例。店長の想いや理念が共有できないから、アルバイトの士気が上がらないのです(精神論が通じない時代にはなりましたが……)。

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■外食企業は時代に合わせて形を変える水アメ型に

 バルニバービと日本エスコンの提携ニュースは結構驚きでした。不動産ディベロッパーと外食企業の付き合い方が劇的に変わったと感じたからです。ディベロッパーのイメージはこんな感じです。

ディベ:「やべー、駅前ビルのテナントが埋まんねーよ。どーすっかなー。こんなときは……(電話)」

外食:「あー、〇〇不動産開発さん。この間の案件はお断りしたはずです」

ディベ:「まぁまぁ、そんな固いことばっかり言ってないで。頼むよ、ターワミちゃーん。こんど、ギロッポンでシースーご馳走するからさー。あんたの好きなナヲンも紹介しちゃうから。もっと気の利いたところを固くしちゃおうぜ!ぎゃはははは」

外食:「まぁ、そこまで言うなら」

※イメージです

 ここまでひどくなくても、ディベロッパーがチェーン系外食企業を、テナントを埋めてくれる便利な会社の一つと見ていたことは間違いありません。長期契約をとり、店舗が失敗しようがどうだろうが、賃料さえ落としてくれれば関係ないといった雰囲気がありました。

 今回のニュースはバルニバービと日本エスコンが、不動産と業態を一緒に開発しようという新たなビジネスの形が見えます。バルニバービは不動産の特徴に合わせた店舗展開・業態開発ができますね。「カプセルホテル事業に進出」するのではなく、建物の立地を最大限に活かした結果が簡易宿泊施設を含む飲食ビルだったわけです。

 これは何だか、リンゴ飴を彷彿とさせます。飲食事業が水アメです。金太郎アメのようにアメそのものに価値を持たせるのではなく、素材との融合と価値の最大化を引き出す一要素としてのアメです。

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■WIRED CAFEもアパレルとの協業を選びました

 「WIRED CAFE」を運営するカフェ・カンパニーは、アパレルショップ「NIKO AND…」のアダストリアと共同運営会社を設立すると発表しています。カフェ・カンパニーは稼ぎ頭の「WIRED CAFE」を切り離すという、大きな決断。飲食定番のフランチャイズ展開には動きませんでした。なぜか。飲食がライフスタイルという枠組みでしか、成長できないと感じているからですね。アメを売るよりも、水アメに徹した方が成長性を見込めると判断しているのです。

 飲食企業はチェーン展開にしがみついている企業が多いです。いち早くその枠組みから外れ、水アメ経営に気づいた企業が今後の外食を担うような感じがしますね(そして社長のイケてる感じを出せるかどうかが重要な気がします)。