「塚田農場」のエー・ピーカンパニーの成長神話に急ブレーキか?
要点:エー・ピーカンパニーが5月11日に平成28年3月期の決算を発表しました。売上高は前期比13.5%増の218億3900万円でしたが、経常利益は44.7%減の8億2500万円。来期の予想は売上高が10.8%増の242億円、経常利益が微増6.6%の8億8000万円。今期も来期も冴えません。貸借対照表の中身をパッと見ると、どうやらパッとしませんね、という話。
■首都圏の店舗が何やら振るわない様子
業績をセグメント別で見ると、販売事業(飲食事業)の売上高が前期比13.7%増の206億7600万円。セグメント利益は54.4%減の4億9600万円。
ここまで落ち込んだ理由は以下の通りです。
①:主力の首都圏店舗が不振。前期比で売上高は93.4%と昨対割れ
②:海外展開(シンガポール)による事業譲渡費用の膨張
首都圏の売上が落ちているというのは気になります。
なので、エー・ピーカンパニーは関西や関東の郊外エリアの出店も進めているようです。が、都会のサラリーマンに受けるスタイル(名刺、昇進制度)をセールスポイントにしている塚田農場が、いわゆるブルーカラーの多い地方でウケるのか。ちょっと心配です。
■出店数も激減!新規出店は45から15店舗へ
28年3月期の新規出店数は直営38、ライセンス7店舗。そこそこ勢いがありましたが、29年3月期はなんと15店舗に収まる様子。なるほど、それなら海外でバンバン稼ぐのかと思いきや、今期のプラス収益はナシ。海外事業の収益は次期へと持ち越しになりました。
昨対の経常利益が44.7%減収となった28年3月期。29年3月期の経常利益見通しが6.6%増の8億8000万円となると、なんだか寂しいとしか言いようがありません。
業績発表で「海外にこそ活路があるんです!」という前のめりの姿勢があれば、期待もするのですが、今回はどうもその勢いがなく……。
■貸借対照表のバランスがいっきに悪くなりましたね
おそらく海外事業への投資が響いているのだと思います。貸借対照表のバランスが28年3月期で非常に悪くなりました。
こんな感じです。
27年3月期 28年3月期
流動資産 59億9500万円 52億5400万円
固定資産 37億6300万円 51億500万円
流動負債 40億500万円 44億8300万円
固定負債 80億6800万円 92億1200万円
不動産(物件)の取得により、固定資産が膨らみ、流動資産が減少しています。長期借入金もかなりの額が膨らみました。
海外事業が上手くいけば、新たな成長戦略の絵が描けますが、万が一失敗したら……。飲食店にありがちな、減損、減損、そして減損。そんな日がやってこないことを、祈るばかりです。
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エー・ピーカンパニーの28年4月度の売上高は前年比117.9%。客数は119.6%、客単価は98.6%だった。
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