ビールを飲む理由

飲食店オーナーを目指すサラリーマンが、日々収集したフードビジネスやサービス業についての情報を書き込む備忘録

【旨味はあるのか?】レストランひらまつがホテルを運営

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■ひらまつが”ホテル運営”を本格化!

 本格フランス料理レストランとして広く認知されている「ひらまつ」。実はホテル運営を猛烈な勢いで進めていることをご存知でしょうか?

 平成28年オープン予定のホテルだけでも……

・平成28年7月 賢島(三重県) 客室数8 投資額2億4000万円

・平成28年9月 熱海(静岡県) 客室数13 投資額5億円

・平成28年12月 箱根仙石原(神奈川県) 客室数11 投資額5億円

 これだけあります。

 

 宿泊費と食事代込で一人5万円として、一日10万円。稼働率80%で計算すると、

 

▼売上:客室数(8+13+11)×365日×80%×100,000円=約9億3000万円

 利益:9億3000万円×10%=9300万円

※投資総額:12億4000万円

 投資回収:13年から14年

 

 当然というべきか、決して旨味のあるビジネスだとは思えません。

 

 それではなぜ、ひらまつはホテル業界に進出しようとするのか?

 そこには大きく二つの理由がありそうです。

 

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■①インバウンド効果により、投資家がホテルに熱視線

 都市部のホテル客室稼働率は大阪で90%、東京で85%を超えています。客室が狭いビジネスホテルでさえ、宿泊費が3万円を上回る異常事態。それが今のホテル業界です。訪日観光客がシティホテルを軒並み抑えてしまい、国内のビジネスマンが部屋をとれなくなってしまいました。あちこちでホテル開発が進んでいますが、まだまだ追いつかない様子。

 投資家は今のホテル業界を”買い”のチャンスと見ています。事実、ひらまつの株価は600円台の横ばいでしたが、ホテル計画発表後の昨年6月に950円の高値を記録しています。遠回しな書き方になってしまいましたが、すなわちホテル進出は「資金が調達しやすい」のです。事実、ひらまつは昨年11月にNTT都市開発資本提携しています。

 

■②「日本型サービス業」という楔

 ”お・も・て・な・し”という単語がオリンピック招致のキータームとなり、日本中を駆け巡りました。ちょうどそのころ、星野リゾートが日本のサービス業の真髄を訪日観光客に向けて打ち出しています。

 日本のサービス業は徹底した現場主義が浸透しています。レストランの支配人も、もともとはサービススタッフ出身という方がほとんどですね。実は日本型のホテルも同じなのです。宴会サービススタッフとして、テーブルを運んでいた人が総支配人に成り上がることは珍しいことではありません。

 すなわち、現場主義のサービス精神がスタッフに行き渡っているため、レストラン経営からホテル運営への移行が非常にスムーズに行われるわけです。

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 ちなみに、ペニンシュラホテルのような外資系ホテルの総支配人は、経営を学んだプロが行います。経営と現場、ホワイトカラーとブルーカラーが明確に分けられているのです。そうした環境下では、ホテルへの参入障壁は高いことになります。現場から経営者にのし上がるのは、日本独特のものです。

 

■結局、ひらまつのホテル運営は上手くいくの?

 その答えはわかりません。株価が昨年900円台をつけた後に下がり続け、現在は600円台に戻ってしまったことが答えなのかもしれません。

 しかしながら、未来はとても楽しみです。現在は客室数10前後ですが、今後はシティホテルを立ち上げる構想もあるとか。そこからが本当の勝負になるでしょう。

 

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