”初の大都市型ホテル!”を謳いながらも、やはり”ウェディングホテル”ですね、「ホテルロイヤルクラシック大阪」
要点:冠婚葬祭互助会のベルコが、大阪市の新歌舞伎座跡地に都市型ホテル建設を発表しました。客室数150、隈研吾氏による新歌舞伎座の趣を残すデザイン性となると、「あの互助会ベルコが、ランドマークとなるべき本格的なシティホテルを建てたのか!」と前のめり。ところが東京・大塚駅近くにある既存のウェディングホテルと内容は同じで、がっかり、という話です。
■投資総額160億円の巨大プロジェクト
ベルコは冠婚葬祭互助会の中でも最大手の企業です。ウィキペディアでは売上高600億円となっていますが、互助会費による収入は、年間1000億を超えるのではと言われています。
互助会は保険会社のように、集めた会費を株式や債券に投資はせず、葬儀場・結婚式場に(不動産)投資するのが通例です。ベルコは全国で約60施設の結婚式場を運営しています。東京・大塚駅にある「ホテルベルクラシック東京」が有名ですね。
ベルクラシック東京は都内でも人気の会場で、年間4~500組前後の結婚式を受注しています。当然、ホテルよりも結婚式からの収益が高いわけです。
さて、大阪難波に建設すると発表した「ホテルロイヤルクラシック大阪」ですが、会社の発表によると、ベルコ初の大都市型ホテルとあります。投資総額は160億円(日経新聞より)。地上19階で客室数は150。デザインは世間で注目が集まっている隈研吾氏。「とうとうベルコも既存のビジネスモデルを脱却して、新しい方向に進むのか」と期待感に胸を膨らませました。
■バンケット5つ、1フロア全てがブライダルサロン、最上階チャペル……、ただの結婚式場じゃん
発表した内容を見てがっかり。3階にバンケットが2つ、7・8・9階は1フロアすべてバンケット、10階はブライダルサロン、最上階はチャペル。これは結婚式場以外の何物でもありません。さらにチャペルは6階にも存在します。
年間1000件の結婚式を簡単に受注できそうな規模です。
やはり、互助会という枠組みから離れることができなかったのでしょう。本格的なホテル進出を期待していただけに残念な内容でした。
ブライダルは、ホテルビジネスよりも簡単で、収益性が見えやすい特徴があります。しかも互助会は運営ノウハウがしっかりたまってもいます。だからこうなったのでしょうね。
■むなしく響く隈研吾氏のメッセージ
隈氏は以下のようなコメントを発表しています。
国内外から多くの人々が集うような、新たなミナミのランドマークとなり、観光都市大阪の発展に貢献する建物となることを目指しました。建築家 村野藤吾氏の代表作であり、長い間大阪ミナミの「顔」でもあった新歌舞伎座の意匠を継承しました。我々はそこに奥行き感があり繊細な表情を持った高層部のデザインを行い、新旧の調和のとれた建物となるよう計画しました。
大阪に初進出する「コンラッド」や東京赤坂に誕生する「ガーデンテラス紀尾井町」のようなインパクトがない「ホテルロイヤルクラシック大阪」。隈氏のコメントもなんだか力なく響きますね。
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【施設概要】
位置:大阪市中央区難波4丁目59-1(住居表示:大阪市中央区難波4丁目3番25)
敷地面積:2,242.12㎡
述床面積:26,492.17㎡
階数:地下1階、地上19階、塔屋1階
フロア構成:
【地下1階】ロビー、テナント、機械式駐車場
【1階】エントランスロビー、テナント、カフェ
【2階】レストラン、ラウンジ
【3階】バンケット①、バンケット②
【4階】事務室
【5階】ウェイティングルーム
【6階】チャペル、フォトスタジオ
【7階】バンケット③
【8階】バンケット④
【9階】バンケット⑤
【10階】ブライダルサロン
【11階】ホテルラウンジ、ホテルレセプション、レストラン
【12-18階】客室
【19階】チャペル、アトリウム、バーラウンジ、パーティールーム
駐車台数:平面駐車場2台、機械駐車84台
ホテル施設:
【客室】150室<ダブル(約30㎡)126室、ツイン(約25㎡)15室、スイート(約80㎡)9室>
【宴会部門】5バンケット、2チャペル
【料飲施設】2レストラン、バーラウンジ、パーティールーム
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