「物を売るってレベルじゃねぇぞ!SOL HOLDINGS(6636)」
要点:その名はスーパーソルガム。何がスーパーか。サトウキビより背丈が高く、1年間で2回の収穫が可能。高糖度で種まき後4ヶ月で収穫ができる。用途はシロップからバイオエタノールの原料と様々。そんなところがスーパーなのです。ところがこの神秘の植物、育ての親SOL HOLDINGSの資産を食いつぶしている様子。なんと売上高3200万円で損失が17億1200万円。「おい、物を売るってレベルじゃねぇぞ!」
■長男が稼いだカネを、次男、三男が食い潰す構図
SOL HOLDINGSは危うい会社の代表格です。メインの事業は3つ。
①:半導体
②:レストラン・ウエディング
③:スーパーソルガム
各事業の売上高と利益(損失)はこの通りです。
半:売上高 15億4400万円 利益8400万円
レ:売上高 11億9900万円 損失2億2300万円
ソ:売上高 3200万円 損失17億1200万円
会社全体:売上高27億9300万円 純損失30億7600万円
半導体事業は(決して良いとは言えませんが)、そこそこ稼いでいます。ところが、レストラン・ウエディングは完全に赤字、スーパーソルガムに至っては、スーパー赤字状態です。まるで長男が汗水たらして稼いだ給料を、次男がパチンコで、三男が悪い女に引っかかって、根こそぎかっさらっているかのようです。
会社全体で見ても、ひどいとしか言いようがありません。
■そもそもスーパーソルガムとは何物か
スーパーソルガムの用途は様々ですが、メインはバイオエタノールの原料です。タイ、インドネシア、メキシコなどで栽培されています。
この植物の本格的な栽培が始まったのは、2012年9月ごろ。
このとき、中国の猛烈な経済成長により、原油価格はつり上がっていました。2012年5月ごろには史上最高となる1バレル120ドル超、その後も110ドル前後で高止まりしていたのです。シェールオイルやバイオエタノールの開発・研究が盛んになったのは、このころでした。燃料ビジネスはカネの匂いを振りまいていたのです。
ところが2年後の2014年に中国経済に暗雲がたちこめ、原油価格は40ドル付近まで大暴落します。
それまでイケイケ状態だった燃料開発が、いっきに失速しました。スーパーソルガムもそんな憂き目を見たのでしょう。開発に前向きだった、タイ、インドネシアがプロジェクトに難色を示し始めたのです。
決算資料には、「タイ農業省から育成状況をもう少し確認したいと言われている」などという内容が書かれています。これは予想ですが、状況が急変した発注者にありがちな「引き伸ばし」、あるいは「生殺し」状態に陥ったのでしょう。種子の販売で何とか売上高3200万円を確保しましたが、損失は17億超と凄まじいものがあります。この状況が打開できる目処はたっていません。
■結婚式の受注数は目標80に対して39組。大丈夫か?
SOL HOLDINGSは”ステキでオシャレなレストラン”で有名な青山エリュシオンハウスを所有しています。その他、レストランを7つ運営していますが、主力はエリュシオンでの結婚式です。
結婚式の目標(というか最低限の獲得数)を80組としています。が、今期の受注数はまだ39組。1年先の顧客を獲得する結婚式ビジネスにおいて、この数字はかなりヤバそう。直近のカップルを受注すればするほど、単価は下がりますし。
やはりそのあたりを見込んでいるのか、今期は売上8億4000万円、損失3000万円と予想しています。ひょっとすると、損失はもっと膨らむのではないでしょうか。
■株券印刷できませんでしたね
この会社、今から2年前の7月にストックオプション発行を発表しています。ただし、平成26年7月4日から28年5月31日までに、株価が800円を超えた場合と条件をつけていました。まんまと株価は低空飛行。800円どころか、400円超えもままなりませんでした(現在は200円前後)。そんなこんなでストックオプション話は消滅しました。
資金も調達できないし、スーパーソルガムも売れないしでピンチなわけです。
ユーグレナが良い例ですが、燃料がダメなら健康食品か美容で勝負するしかないんじゃないですか?流行りの「水素ソルガム」とかで。
小僧寿し(9973)の成長戦略がまたしても”やらかしている”件
要点:小僧寿し(9973)が成長戦略を発表しました。これまた尖った内容です。今まで新規事業で業績回復を目指すと宣言し、市場から資金まで調達した「新規業態 ステーキ店」、「新開発 ラーメン店」は撤退を決定。業務の効率化を図る統合システムは2700万円を支出したものの、継続運用は見直し。そして最後に言い放った言葉は、なんと「やっぱり寿司が好き」。
※小僧寿しについては、こちらの過去記事も併せてお読みください。
■「麺や小僧」、「麺屋黒琥」、「カウンター式ステーキ店」は撤退・縮小へ
2014年に赤字体質からの脱却を図るため、ぶちあげた新規事業開発構想。当初はラーメン店を2015年6月に50店舗、そしてカウンター式ステーキハウスを順次出店する予定でした。新業態を拡大するため、100店舗もの小僧寿し・茶月などの既存店を閉店しました。寿司事業を縮小し、資金と人的リソースを新たな事業に振り向けるためです。
ところがここにきて、ラーメン店の撤退、ステーキ店の出店中止を発表しました。業態開発資金として、約6億円を市場から調達していましたが、それも宙に浮いた状態。そして何と、「やっぱり寿司が好き」と言わんばかりに、寿司業態に経営資源を集中させると発表したのです。ブレッブレもいいところですね。
■成長戦略の柱「茶月」のリニューアル内容も何だか違和感ばかり
小僧寿しは次の戦略として「新生茶月」構想を打ち出しました。”現代の消費者”の”ライフスタイル”と”ニーズ”に応える、ブランド開発を進めるというもの(いやいや、持ち帰りと宅配寿司以上のものが提供できるのでしょうか……)。
具体的な施策の一つとして、「茶月森下店」の全面リニューアルを予定しているのです。どんなリニューアルなのかはわかりませんが、このお店のことを知れば知るほど、不安を覚えます。
森下店は、写真の人が店長を務めています。
この人です。
いやはや、メチャクチャ性格の良さそうな人じゃないですか!思わず、2度もこの人の写真をアップしてしまいましたよ。このサイトに店舗の詳しい情報が載っています。
■コンセプトは地域に根ざした”小さなお店”で良いのでは?
小さな商店街の一角に店を構える、地元に愛されるお寿司屋さん。サイトを見ると、そんなイメージが伝わってきますね。
つまりは、リニューアルする必要なくね?と思うわけです。この店長の人柄と、小ぢんまりした店作りで、地域の人たちに笑顔を届けるっていうコンセプトで十分じゃね?と。
サングラスをかけた本社の統括マネージャーがやってきて、このお店をぐちゃぐちゃにする日も近いことでしょう。「カウンターをピンクに塗れい!今の流行りじゃい!」「スタッフはもっと派手なねーちゃん集めーやー」「おんどりゃ、いつクビにしてもええんじゃぞ!」と、なるわけです(勝手なイメージです)。
リブランドを通じて認知度をアップさせ、フランチャイズを拡充、強化を図る。更には現在出店しているハワイ以外にも、オセアニアやアジアへの海外出店も見込んでいるとか。またまたー、そんな大きなこと言って、投資家からカネをせびる(ライツ・オファリングする)気でしょう?と勘ぐりたくなります。
そして今回の成長戦略には、もう一つ爆弾が仕込まれていました。何と、介護事業に参入する!というのです。投資額は驚きの5000万円。それだけの金額でどれほどのことができるというのか、注目が集まっています。
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食べログ有料会員が1年で100万人も増加してる!年間売上は27億円
要点:飲食店の検索サービスとして国民的存在となった「食べログ」。カカクコム全体の売り上げの40%近くを担う巨大サイトに成長しました。店舗からの広告収入も堅調に推移していますが、次の成長戦略として打ち出したのが有料会員。その数が急増しています。2014年度第4四半期の時点で54.9万人でしたが、2015年度第4四半期には157.3万人にまで増加しました。有料会員の何が魅力的なのか。”そんな機能”で年間27億円もの売上に?という話です。
■課金店舗数は年間7000店増で、頭打ちが近づく
食べログの課金飲食店数は、2014年第4四半期で4万2200、2015年第4四半期で4万9000店舗まで伸びました。しかしながら、全国の居酒屋業態の総店舗数は2014年の時点で約12万5000。10年間で11%超縮小しました。食べログ課金店の飛躍的な伸びはあまり期待できません。
一方、1店舗当たりの単価はどうか。2014年度は月1万8000円、前期は1万9600円となりました。口コミ利用が主力のビジネスモデルとなっているため、単価を上げづらいのが実状です。飲食店も投資対効果を気にするようになっており、オリンピックまではともかく、その後は先細り傾向が続くかもしれません。
■個人向け有料サービス加入者は1年間で100万人超の伸び!
そんな中、食べログの新しい成長戦略として打ち出したのが、個人向け有料サービス。月額300円のサービスですが、これが当たりました。2014年度末の時点で54.9万人だった利用者が、2015年度には157.3万人に。個人による年間の売上高は27億2600万円のものぼります。現在は海外のユーザー獲得にも力を入れており、今後の拡大が期待できます。
■有料サービスは、PCで普通に使える機能がスマートフォンでも使える、というだけのものです
では、月300円でどんなサービスを提供してくれるのか、気になるところですよね。最大の機能は1点。
①:スマートフォンでもランキング検索、こだわり検索ができるようになる
これだけです。
この機能、PCでは普通に利用することが可能です。通常のユーザーはスマートフォンだと使えません。月300円払うと、スマートフォンでも見られるのです。
飲食店選びに困らない人は、”たったこれだけ?”と思うはず。ところが、飲食店事情にあまり明るくない人や、幹事を任される人は重宝している様子。外出先でお店選びをしなければならなくなった場合、カンタンに良いお店を見つけられるというわけです。口コミ点数の高いお店をすぐに見つけられるので、外す確率が少なくなるのですね。
有料個人ユーザーの爆発的な拡大の要因は、3つあると考えられます。
①:月300円という絶妙な金額を設定した点
②:スマートフォンの生産がPCを抜くほどにユーザーが増加した点
③:一般消費者の間で、食べログの信頼性が広まった点(信頼を勝ち得た結果)
食べログは、伸びしろがないなどと言われることもありましたが、有料サービスにより、まだまだ拡大余地はありそうです。
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それで、セレブ少女ララちゃんとやらは何者なのか?
要点:インスタグラムから始まり、今ではテレビでも取り上げられるようになったセレブ少女ララちゃんをご存知でしょうか?世界中を旅する派手な私生活や、紗栄子さん小嶋陽菜さんといった芸能人とツーショットを撮る姿、大人顔負けのファッション画を描きあげる多彩さで注目を集める10歳の少女です。彼女のご両親はフォーシスアンドカンパニーという、ウエディングドレスを手掛ける会社の経営者です。年間売上65億、従業員数650人前後の、この会社のことについて。
■創業者の結婚を機に、”ウエディングドレス屋”から”巨大ブライダル企業”に
アフリカやヨーロッパを飛び回る写真をインスタグラムにアップし、オシャレ系芸能人との親密な姿を晒して注目を集める、セレブ少女ララちゃん。彼女の父親はコンサルティング企業のトップ「アンダーセン(現:アクセンチュア)」出身のプロ経営者、太田清五郎さん。母親はウエディングドレスショップ「フォーシスアンドカンパニー」を立ち上げた創業者太田真理子さんです。
フォーシスアンドカンパニーは売上高約65億円、社員数650人、全国に60店舗以上の直営店を持つウエディングドレスショップです。いや、巨大なブライダル企業と表現した方が正しいでしょう。ウエディング業界を牛耳っている存在といっても過言ではないかもしれません。
フォーシスアンドカンパニーは、もともと太田真理子さんを中心とした四姉妹(=フォーシスターズ=フォーシス)が始めた小さなウエディングドレスショップでした。ビジネス的な拡大を目指すというよりは、「キャッキャ、ウフフ」的なノリで始めたショップです。全国展開など、頭の片隅にもありませんでした。
ところが、やり手のコンサルタント・プロ経営者の太田清五郎さんと太田真理子さんが結婚したことで、フォーシスアンドカンパニーは大きく変わります。
■ウエディング業界の陥穽をついた太田清五郎さん
ここで婚礼業界、特にウエディングドレス業界のビジネスモデルを説明します。
とある企業が結婚式場を5億円で建てようと考えた場合、その企業が全額負担するわけではありません。結婚式場の中に入るドレスショップやフラワーショップ、引き出物会社は、建設協力金(デポジット)という名目の下、1000万~1億円程度のお金を預け入れるのです。
この中でも特にお金を積むのがドレスショップ。その結婚式場で挙げるカップルのドレスを独占販売できる上、レンタル衣装なので利益率が極めて良いためです。いわば、甘い蜜を吸わせてもらう代わりに、高い代償を払わされるといった図式なのです。
フォーシスアンドカンパニー(太田清五郎さん)はこの仕組みに目をつけました。
■フォーシスのおかげで、杉乃井ホテルは年間100組から1000組に
フォーシスアンドカンパニーはウエディングドレス企業の中では後発組です。多くのホテル、結婚式場では先行する老舗のドレスブランドが牛耳っていました。ところが、やり手のビジネスマン、太田清五郎さんはオセロをひっくり返すように、いとも簡単に各結婚式場に入り込みました。こんな形でです。
かつての人気結婚式場A。今は老朽化が進んで客足が遠のいています。結婚式場Aは集客のテコ入れを図るため、リニューアルをしたいのですが、資金がありません。そんなときにやってきたのがフォーシスの営業マン。
フォーシス「この結婚式場も、リニューアルさえすれば、すぐにかつての人気を取り戻せるのですがね」
A式場支配人「いや、しかし、設備投資にかける資金がなくて……」
フォーシス「なるほど。それならウチが出してもいいですよ。腕の立つ内装のデザイナーも紹介しましょう。ただし、テナントとして当社のショップを置かせてください」
A式場支配人「いい話なんだけど、すでに建設協力金をもらったドレスショップがあるから」(建設協力金はデポジットという契約ですが、ほとんどの結婚式場はその金額を返済できるアテがありません)
フォーシス「なるほど、それならその金額を出してもいいですよ」
A式場支配人「マジで?」
既存のドレスショップ「マジかよ?」
今まで、一緒にやってきたドレスショップにとっては寝耳に水の話。一蓮托生だと思っていたのだから当然です。しかしながら、結婚式場の上にあぐらをかいて、何もしなかった会社が迎える当たり前の結果なのかもしれません。
そんなこんなでフォーシスは全国の結婚式場に入り込みました。人気がなくなった多くの結婚式場をリニューアル効果で立て直し、顧客獲得に成功したのです。そのテナントとして新たに入ったフォーシスアンドカンパニーが儲かる、という図式でした。
ちなみに、大分県にある杉乃井ホテルは、結婚式の数がかつて年間100組を下回るほどでしたが、フォーシスが絡んだリニューアルにより、年間1000組ものカップルが結婚式を挙げるまでになりました。お色直しを含めたウエディングドレスのレンタル料金が50万円として、1000組で5億円もの売り上げになるわけです。
■ホテルニューグランドの大株主でもあります
フォーシスアンドカンパニーは横浜の有名ホテル「ホテルニューグランド」の株式を7%超保有する大株主です。このホテルに自社のウエディングドレスを入れてもらおうとしたところ、断られたために株を買い進めたという噂があります。
本当かどうかはわかりませんが、現在はテナントとしてフォーシスが入っています。けっこうエグいことをしていますね。
フォーシスアンドカンパニーは表向きウエディングドレスショップということになっていますが、どちらかというと、まとまった資金を預けてそこから利ザヤを得るファンドに近い形になっています。
そんなどす黒い大人の事情も知らずに、ララちゃんはお花畑全開のファッションイラストに精を出すのでした。
フィンテック グローバル(8789)が仕掛ける「ムーミン谷」は年間来場者数1400万人?!
要点:埼玉県飯能市に新たなテーマパーク「ムーミン谷(メッツァ)」を開発するフィンテック グローバルは、土地の取得が完了したと5月31日に発表しました。宮沢湖周辺の土地、18万7000㎡の取得金額は6億円。独自に弾きだした回帰分析によると、年間の来場者数は1400万人!USJよりも多い数字です。フィンテックはずいぶん安い買い物をしましたね、というかなりいいかげんな話です。
■来場者数1400万人はエクセルの回帰分析で出した数字です
フィンテック グローバルが社運を賭けて開発しているムーミン谷、メッツァ。当初の東京都立川市案が消え、紆余曲折の末に飯能市という辺境の地に行き着きました。ゴルフ場で有名な飯能市は緑豊かな町。ムーミンには相応しいのかもしれません。
いやはや、こんな場所に人が来るのか。という疑いの声が途絶えませんが、エクセルさんが出した答えは、年間の来場者は1400万人。テーマパークの中ではUSJ以上、TDR未満という、もの凄い数字です!
さて、「回帰分析」という言葉を聞いたことがある人は、多くないかもしれません。統計学をベースにし、様々な予測を行うデータ解析です。
今回、全国のテーマパークデータを集め、ムーミン谷の来場者予測をしてみました。
▼サンプルとして抽出したテーマパークと軸切り
施設名 来場者数 敷地面積 入場料 主要都市からの所要時間
TDR 3137万人 200万㎡ 7400円 30分
USJ 1270万人 39万㎡ 7200円 20分
ハウステンボス 279万人 152万㎡ 6400円 70分
こういうデータを、志摩スペイン村、サンリオピューロランド、よみうりランド、としまえん、ツインリンクもてぎなどで集めました。
そして、メッツァのデータを当てはめてみます。敷地面積は18万㎡、入場料は3000円を想定、所要時間は60分。
これをエクセルの回帰分析ツールに突っ込むと、一瞬にして来場者数が出ます。その答えは……、1400万人!マジかよ!
想定売上は、
14,000,000人×3,000円=年間420億!
エクセルが出した答えが本当なら、フィンテック グローバル株を買う他ありませんね。しかも、メッツァは西武鉄道が全面的にバックアップしています。
ものすごい経済効果だ、ムーミン谷!
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【関連News】
フィンテック グローバルは、平成 27 年6月 30 日付「『ムーミン』の世界を体験できる施設に係る固定資産の取得に 関するお知らせ」において公表しましたとおり、北欧の雰囲気とムーミンの世界を体験できる施設「メッツァ」開設のための固定資産取得に係る売買代金の支払及び物件引渡しを完了した。
取得資産の概要 土地及び建物
①所在地 埼玉県飯能市宮沢,他
②土地面積 約187,000㎡
③建物面積 304.70㎡
④取得価額 6億円
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正直微妙な日本エスコンといちごHDの提携。でも低位株ハンターには狙い目かも
要点:不動産流動化やファンド組成などを行ういちごHD(2337)と、不動産開発の日本エスコン(8892)が5月31日に業務提携すると発表しました。昨年11月にいちごホテルリート投資法人をリート市場に上場したいちごHD。今回の提携により保有資産の拡大に勢いがつきそう。そして日本エスコンはホテル開発がスピーディに進みそうです。値がさ株中心の巨人投資家には大したニュースではありませんが、低位株ハンターにはいい知らせですね、という話です。
■要するに、ホテル開発に弾みがつきそうです
「いちごHDが土地の情報を提供し、日本エスコンがホテル開発案件の情報を提供する。それにより、相互の発展が望める」という今回の業務提携の発表ですが、これだけでは何がメリットなのか、よくわかりません。
ここで2社の提携発表以前の動きを整理しましょう。
いちごHDは、不動産流動化の中でも、ホテルに特化したいちごホテルリート投資法人を上場しました。
※リートというのは少しわかりづらいですが、早い話が不動産が生み出すキャッシュフローを証券化したものです。上場させることで、簡単に資金調達できるというわけです。
上場したことにより、ポートフォリオをバランスよく組み、保有資産を拡大しなければなりません。
日本エスコンは関西圏を中心に分譲マンションを開発し、販売する会社です。商業施設のテナント開発なども行っています。5月9日に本格的にホテル開発に着手すると発表しました。
■日本エスコン、凄まじい勢いでホテル開発を進めていますね
この会社、ホテル用地として既に6件、取得予定が4件とスピーディーなホテル開発を進めています。総客室数は1100となる見込みです。場所は日本橋や馬喰横山、大阪淡路町、船場などです。ビジネスホテルの中でも小規模のものですが、インバウンド需要が強い内に開発しておけ、という前のめりな姿勢です。
そんな中でのいちごHDとの提携発表なのでした。
個人的には、今回の提携でこんなやりとりが浮かぶわけです。
いちごHD「エスコン、こんな土地があるんだけど、どうかな?」
エスコン「いいねいいね、ホテル建てる、建てる」
いちごHD「マジで?土地、見なくていいの?」
エスコン「いちごさんが言ってるなら、間違いないから大丈夫。それに、今はホテル開発って言っておけば問題ないから。ちょっと発表してくる」
エスコンIR「当社は、新たなホテル用地を取得し、平成29年オープンを目指して……」
投資家「ホテル!インバウンド!買いだ!買いだ!」
エスコン株アップ↑
エスコン「あー、やべえ、銀行がカネ貸してくれないって。どうしよう」
いちごHD「それなら大丈夫。親戚が貸してくれると思う」
いちごホテルリート「君がエスコンだね、カネなら心配しなくていいから。俺が出しとく」
エスコン「あーざす」
いちごホテルリートIR「新投資口発行及び、投資口売り出しに関し決議しましたので、お知らせします……」※要するに株券印刷
いちごホテルリート株ダウン↓
エスコン「あー、ホテルできたわー。売上伸びたわー」
エスコン株アップ↑
いちごHD「手数料収入入ったわー」
いちごHD株アップ↑
いちごホテルリート「取得したエスコンのホテルが思ったより稼いでくれたわー」
いちごホテルリート株アップ↑
※上のやりとりは、個人の単なるイメージです
インバウンドの旺盛な需要と、オリンピック効果により、ホテル業界の盛り上がりは2020年ごろまで続くはず。なので、今回の提携は2社にとっては朗報です。株価は上がるものと予想できます。
■いちごホテルリートの保有資産はまだ貧弱
いちごホテルリート投資法人が所有するホテルは現在8。まだまだ多くはありません。今回の提携により、ホテルの数をどんどん増やして欲しいですね。
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【関連News】
いちごHDは、同社の保有する投資運用会社CITIC International Assets Management Limitedの株式売却に伴う利益が確定したと発表。
CITIC International Assets Management Limitedは、中国最大手の総合金融グループでFortune Global 500 の一社である中国中信集団公司傘下の投資運用会社。いちごは2006年より資本参加していたが、4月18日Hanxing Investments Limitedとの間で同社が保有するCITIC International Assets Management Limited株式の株式譲渡契約を締結したと発表していた。
同社が売却する株式は332,650,152 株で、2015年12月31日現在発行済株式総数の約15%にあたる。売却価格は458百万香港ドル、売却益は24億円。
なお、本株式の売却による業績への影響については、特別利益24 億円を計上する予定となっており、2016年4月19 日付発表の2017年2月期連結業績予想に織り込み済としている。
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ウエディング企業はプラン・ドゥ・シーを超えることができないのかもしれない
要点:非上場企業プラン・ドゥ・シー。ゲストハウス型婚礼施設の嚆矢となった会社です。そのビジネスモデルを踏襲して日本中に広めたのがテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)とノバレーゼ(2128)でした。中国への先行投資が失敗し、業績が悪化する一方のT&G、一歩一歩着実に歩みを進めるノバレーゼ。両社の命運はプラン・ドゥ・シーモデルの枠内に収まるか、飛び出すか。そこが分かれ目になっているようですね、という話です。
■中国への先行投資50億円の結果を”そっ閉じ”したT&G
テイクアンドギヴ・ニーズの業績落ち込みが勢いを増しています。28年3月期の売り上げ高は前期比0.4%増の595億2400万円だったものの、営業利益は48.8%減の15億4500万円、経常利益は50.5%減の13億7700万円でした。
今期は売上高600億円、経常利益15億円(8.9%)を見込んでいます。ゲストハウスを前期で2店舗オープンしているため、売り上げは600億に届くでしょう。しかし利益が出るかどうかは眉唾ものです。毎年婚礼単価・婚礼組数が落ち込み、新規事業であるホテルやドレスへの投資が膨らみそうだからです。
T&Gは2010年ごろから中国への積極投資に動きました。当時、中国の婚礼市場は2013年の時点で8兆円を超えると予想されていました。その1%でも獲得できれば800億円の売り上げになるというわけです。
市場規模は順調に拡大しているようですが、T&Gの中国ビジネスは鳴かず飛ばずの様子。中国の婚礼ビジネスには2つの大きな落とし穴がありました。
①:日本のゲストハウスで結婚式を挙げる理由がない
②:参入障壁が低く、簡単にマネできてしまう
中国人にとって、T&Gブランドは何ら影響力を持っていません(そもそも日本でもありませんが)。ヒルトンやマリオットと比較すれば、一目瞭然。現地の人にとって、そのブランドでどうしても結婚式を挙げたいと思わせる価値はありません。
そしてゲストハウス運営は単なる箱物ビジネス。大したノウハウはありません。すぐにマネされてしまいます。仮に、稼げるゲストハウスが1つできたとしても、周辺には似たような施設が、雨後の筍のように出てくるのです。
T&Gは2012年に50億円もの中国投資を行っています。ウエディング企業としては、異例の投資額です。
しかしながら、現在の成長戦略の中に中国の文字は消えています。代わりに台湾やインドネシアを重要拠点に据えています。が、それよりも国内事業の立て直し、ホテル事業への参入を高く掲げているようです。要するに、中国事業は大失敗し、その事実を”そっ閉じ”しています。
■プラン・ドゥ・シーモデルを踏襲したノバレーゼは堅調
一方、ノバレーゼは堅実に歩みを進めています。27年12月期の売上高は前期比6.1%増の153億7500万円、営業利益は16億600万円(10%増)、経常利益は16億7900万円(10%増)です。
ノバレーゼは中国を初めとした海外展開には興味を持っていません。国内の既存・新規施設への投資が中心です。そのため、婚礼単価が400万円後半と非常に高いです。受注組数が昨対で4.2%減の3139組と減少していますが、売上・利益ともに増加している背景はそこにあります。
ちなみに、T&Gの国内婚礼単価は400万円を切って、390万円にまで落ちました。海外にばかり目が向いて、国内のゲストハウスにヒト・モノ・カネが投下できなかったツケが回っています。
ノバレーゼは重要文化財に指定されている施設で結婚式を行う「文化財ウエディング」が人気です。金沢の辻家庭園や大阪の旧桜宮公会堂などです。単なる”箱”を用意するのではなく、”歴史”というストーリー性を盛り込みました。非常に優れた戦略だと思いますが、これはプラン・ドゥ・シーが先行して行うビジネスモデルです。
プラン・ドゥ・シーはカワブン・ナゴヤやソウドウ・東山の運営会社です。どちらも人気大爆発のドル箱です。2つの会場には共通点があります。歴史的な建物をリニューアルしていることです。カワブンは料亭、ソウドウは名家のお屋敷でした。
最近では、大阪市公館のガーデンオリエンタル大阪、元赤坂プリンスの李王家東京邸の赤坂プリンスクラシックハウスをオープンしています。どちらも、よくぞその場所を抑えたといったところですね。
■国内投資はロジカルシンキングが出した答え
プラン・ドゥ・シーは、ITやコンサルティング企業のようなロジカルシンキングが徹底されている会社として有名です。それまで婚礼業界の常識だった”お花畑”営業からいち早く抜け出しました。それが大成功の秘訣と言われています。
この会社、社員を毎年海外の一流ホテルやレストランに研修で送り込んでいます。それくらい海外事業には興味津々なのです。しかしながら、そちらへの投資はほとんど行っていません。
ロジカルに出した答えが、国内に留まっておけ、ということなのでしょう。
この会社のビジネスモデルを”いい意味”で超えられるかどうかが、婚礼業界の突破口となりそうです。ただし、T&Gのような悲惨な結果になる終わるリスクもはらんでいる、ということですね。
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