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ビールを飲む理由

飲食店オーナーを目指すサラリーマンが、日々収集したフードビジネスやサービス業についての情報を書き込む備忘録

そば居酒屋「高田屋」でお馴染みのタスコシステムが倒産

飲食・外食

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要点:「北前そば高田屋」や焼き鳥「とり鉄」などを運営していたタスコグループが先月倒産しました。2001年にジャスダックに上場、2003年のピーク時の売上高は182億3700万円にも達していました。「升屋」「月の虎」など数々の業態を立ち上げ、2008年には直営・FC店舗数が100を超えるほどまでに成長。ところが急拡大によるサービスの悪化、客離れ、新業態の失敗と、ありがちな轍を踏む結果に。2008年に上場廃止、そして2016年に倒産。その栄枯盛衰について。

 

■昼は「蕎麦」、夜は「居酒屋」の優れたビジネスモデル

 「北前そば高田屋」は1995年、北海道の北四条に1号店が誕生しました。蕎麦屋の常識を覆す高級感と居住性を持たせ、またたく間に人気店になりました。

 1997年、フランチャイズ加盟店開発を行うベンチャー・リンクと提携。これが急拡大へと弾みをつけることとなりました。

ベンチャー・リンクサンマルクガリバーインターナショナルを世に知らしめた立役者。フランチャイズの元となる店舗を開発し、加盟店を全国から募った。2001年に1部上場するものの、2012年に民事再生法の適用を申請。

 「高田屋」は都市部へ進出したことで更なる強みを発揮します。二毛作ビジネスです。昼は「蕎麦屋」、夜は「居酒屋」として営業。サラリーマンの需要を旺盛に取り込みました。

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■市場調達資金ブースターにより、100店舗以上を展開

 2001年に現ジャスダック市場に上場。

 ベンチャー・リンクと組み、晴れて資金調達もできたタスコシステムは、凄まじい勢いで業態開発と店舗展開を加速します。焼き鳥「とり鉄」、中華レストラン「暖中」、グリルバー「升屋」など、人気店が次々と誕生しました。

 2008年には直営・フランチャイズを合わせて101店舗を運営していました。

※年間230店以上出店する時期もあったようです(商業施設新聞2014年8月19日の記事より)が、インタービューに答えている、当時のアスラポート・ダイニング取締役小林剛氏が話を”盛って”いるような気がしてなりません。←飲食業界の人の話は2/3カットくらいで聞いておくと良いです。

 ピーク時の2003年には売上高182億3700万円を計上。レインズインターナショナルの「牛角」、「鳥でん」などとともに、ベンチャー・リンク成功モデルの一つとして燦然と輝いていました。

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投資ファンドジェイ・ブリッジ」で立て直しを図るも失敗

 急拡大する外食企業はほとんどが失敗します。理由は3つです。

①:スタッフ育成が追いつかない

②:勢いがありすぎて、出店計画が無茶苦茶に

③:業態開発が手薄になる

 ①は顧客離れを生みます。②と③は企業の資金不足につながります。

 特に②はありがち。どう考えても採算が取れないような家賃・立地に出店するケースが増えるのです。③の開発の方に力が使えなくなるのもよくあるパターンですね。適当な業態で新規出店するので失敗するのです。この2つの要素は、企業のマネージメント力が低下することに起因するものです。 

 そんなこんなで業績は悪化、会社の勢いは失速。社長の高田氏は退任し、FC関連の投資ファンドによって立て直しを図ります。

 2005年には新たな投資ファンドジェイ・ブリッジ」の資金を得て再出発しますが、勢いが出ずに資金繰りが悪化。債務超過に陥ります。そして2008年、上場廃止になりました。

 2008年の12月期の連結売上高は54億100万円に減少。純損失は37億9100万円にまで達していました。4期連続の赤字です。

 ちなみに、「高田屋」や「とり鉄」などは別会社がすでに買収していますので、お店が消えることはありません。

高田屋こんな発表をしています。

 勢いがつきすぎて、統制がとれなくなった典型的な企業「タスコシステム」。これほどまでに勢いのあった飲食企業は、今後おそらく出てこないでしょう。