「アタラナイカキ」でお馴染みの「ゼネラル・オイスター」、株価は海に沈む貝のように
要点:2015年にマザーズ市場に新規上場した「ヒューマン・ウェブ」。5月16日に決算を発表しました。16年3月期の最終損益は4億8600万円の赤字。上場直後に発表した前の期は1億5300万円の黒字でした。上場ゴールのいやーな空気が流れるなか、17年3月期の純利益は5億円の黒字に浮上する見通しをたてています。実現すれば、4期ぶりの過去最高益更新ですが、株価はピクリとも動きません。まるで海に沈むカキのように。
■17年3月期売上高前期比21.1%増の46億6500万円という数字
ヒューマン・ウェブ。企業名から人材派遣の会社とばかり思っていました。実際はオイスターバーを全国展開する飲食チェーンです。おそらく同じ印象を持った人が多かったのでしょう、社名をゼネラル・オイスターに改めています
”名前をどんなに良くしたって、クソ株はクソ株なんだよなぁ”(みつを)
5月15日に発表した決算内容が結構、胸を熱くする内容なのですが、それに対していかなる反応も示さない、投資家の皆さまのツンっぷりが痛々しいです。ゼネラル・オイスターは、海の底に沈んで貝を閉じてしまったかのようでした。
▼16年3月期
売上高 38億9300万円 1.1%増
営業利益 △3億4200万円 -
軽量利益 △3億4900万円 -
驚いたのは次期の見通しです。
▼17年3月期見通し
売上高 45億円 15.6%増
営業利益 4000万円
経常利益 2000万円
「17年3月期は悪くなさそうじゃん♪」
一瞬そう思えるのに、株価が反応しないのはなぜか。店舗数が増えているのに、売上予想が減少しているからです。
■2015年に出した見通しは、売上高46億6500万円でした
今回の業績発表、既視感がありました。売上高、営業利益、経常利益ともに2015年に出した業績予想と似ています。
▼2015年5月に出した、16年3月期見通し
売上高 46億6500万円 21.1%増
営業利益 1億円 52.7%減
経常利益 9000万円 51%減
このとき、直営店舗は25店舗、2016年3月期の出店数は7店舗を見込んでいました。
さて、現在の店舗数は31店舗になりました。2017年3月期は新規出店を3店舗予定しています。
・合計25店舗+7で立てていた売上予想が46億6500万円(15年に出した予想)
・合計31店舗+3で立てた売上予想が45億円(今回出した予想)
”店舗を増やしても、増やしても、儲からねぇんだなぁ”(みつを)
こちらの会社は卸売を手がけていますが、これからの成長分野で業績にはほとんど影響していません。
もしも株価が動くとすれば、食中毒にならない「アタラナイカキ」が実現したときかもしれません。陸上でカキを養殖し、毒を含まない個体を作っています。欧米でも、唯一生で食べる海産物がカキです。アタラナイカキは海外でも売れる可能性があります。
しかしながら、残念なことに今年3月に食中毒を起こしています。
バイオベンチャーよろしく、「アタラナイカキ」の成功を信じる投資家は、今のうちに買っておくと良いかもしれません。
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ゼネラル・オイスターは、5月 10 日に第1期開業を 迎える東京ガーデンテラス紀尾井町の紀尾井テラス(商業ゾーン)2階に「ウォーターグリ ルキッチン」を出店する。
海洋深層水をテーマとしたシーフードレストラン。カキやしゃぶしゃぶを楽しめる。
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