正直微妙な日本エスコンといちごHDの提携。でも低位株ハンターには狙い目かも
要点:不動産流動化やファンド組成などを行ういちごHD(2337)と、不動産開発の日本エスコン(8892)が5月31日に業務提携すると発表しました。昨年11月にいちごホテルリート投資法人をリート市場に上場したいちごHD。今回の提携により保有資産の拡大に勢いがつきそう。そして日本エスコンはホテル開発がスピーディに進みそうです。値がさ株中心の巨人投資家には大したニュースではありませんが、低位株ハンターにはいい知らせですね、という話です。
■要するに、ホテル開発に弾みがつきそうです
「いちごHDが土地の情報を提供し、日本エスコンがホテル開発案件の情報を提供する。それにより、相互の発展が望める」という今回の業務提携の発表ですが、これだけでは何がメリットなのか、よくわかりません。
ここで2社の提携発表以前の動きを整理しましょう。
いちごHDは、不動産流動化の中でも、ホテルに特化したいちごホテルリート投資法人を上場しました。
※リートというのは少しわかりづらいですが、早い話が不動産が生み出すキャッシュフローを証券化したものです。上場させることで、簡単に資金調達できるというわけです。
上場したことにより、ポートフォリオをバランスよく組み、保有資産を拡大しなければなりません。
日本エスコンは関西圏を中心に分譲マンションを開発し、販売する会社です。商業施設のテナント開発なども行っています。5月9日に本格的にホテル開発に着手すると発表しました。
■日本エスコン、凄まじい勢いでホテル開発を進めていますね
この会社、ホテル用地として既に6件、取得予定が4件とスピーディーなホテル開発を進めています。総客室数は1100となる見込みです。場所は日本橋や馬喰横山、大阪淡路町、船場などです。ビジネスホテルの中でも小規模のものですが、インバウンド需要が強い内に開発しておけ、という前のめりな姿勢です。
そんな中でのいちごHDとの提携発表なのでした。
個人的には、今回の提携でこんなやりとりが浮かぶわけです。
いちごHD「エスコン、こんな土地があるんだけど、どうかな?」
エスコン「いいねいいね、ホテル建てる、建てる」
いちごHD「マジで?土地、見なくていいの?」
エスコン「いちごさんが言ってるなら、間違いないから大丈夫。それに、今はホテル開発って言っておけば問題ないから。ちょっと発表してくる」
エスコンIR「当社は、新たなホテル用地を取得し、平成29年オープンを目指して……」
投資家「ホテル!インバウンド!買いだ!買いだ!」
エスコン株アップ↑
エスコン「あー、やべえ、銀行がカネ貸してくれないって。どうしよう」
いちごHD「それなら大丈夫。親戚が貸してくれると思う」
いちごホテルリート「君がエスコンだね、カネなら心配しなくていいから。俺が出しとく」
エスコン「あーざす」
いちごホテルリートIR「新投資口発行及び、投資口売り出しに関し決議しましたので、お知らせします……」※要するに株券印刷
いちごホテルリート株ダウン↓
エスコン「あー、ホテルできたわー。売上伸びたわー」
エスコン株アップ↑
いちごHD「手数料収入入ったわー」
いちごHD株アップ↑
いちごホテルリート「取得したエスコンのホテルが思ったより稼いでくれたわー」
いちごホテルリート株アップ↑
※上のやりとりは、個人の単なるイメージです
インバウンドの旺盛な需要と、オリンピック効果により、ホテル業界の盛り上がりは2020年ごろまで続くはず。なので、今回の提携は2社にとっては朗報です。株価は上がるものと予想できます。
■いちごホテルリートの保有資産はまだ貧弱
いちごホテルリート投資法人が所有するホテルは現在8。まだまだ多くはありません。今回の提携により、ホテルの数をどんどん増やして欲しいですね。
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【関連News】
いちごHDは、同社の保有する投資運用会社CITIC International Assets Management Limitedの株式売却に伴う利益が確定したと発表。
CITIC International Assets Management Limitedは、中国最大手の総合金融グループでFortune Global 500 の一社である中国中信集団公司傘下の投資運用会社。いちごは2006年より資本参加していたが、4月18日Hanxing Investments Limitedとの間で同社が保有するCITIC International Assets Management Limited株式の株式譲渡契約を締結したと発表していた。
同社が売却する株式は332,650,152 株で、2015年12月31日現在発行済株式総数の約15%にあたる。売却価格は458百万香港ドル、売却益は24億円。
なお、本株式の売却による業績への影響については、特別利益24 億円を計上する予定となっており、2016年4月19 日付発表の2017年2月期連結業績予想に織り込み済としている。
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