日本海側初の外資系ホテル誕生へ!金沢がインターナショナルブランドホテルの公募に動いた理由は3つ
要点:金沢市は4月18日に外資系ホテル誘致の公募を開始しました。開業は2020年を目指しています。なぜ、”外資系ホテル”なのか。そこには大きく3つの理由がありそう、という話。
募集の内容はコレです
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/23019/1/youkou.pdf
■金沢はビジネス・観光の中心都市へ
金沢市は4月18日、金沢駅西口再開発の一環となっている、ホテル誘致の公募を開始しました。はっきりとインターナショナルブランドホテルと書かれており、日本海側初の外資系ホテルが誕生します。金沢は北陸新幹線が開通し、路線の利用者が開通前の3倍にまで膨らんでいるエリア。世界で最も美しい駅舎にも選ばれ、観光客は押し寄せる一方です。そんな中、金沢市は外資系ホテル誘致に動きました。
外資系を選んだ理由は3つあります。
①:インバウンド需要の更なる掘り起こし
②:国際会議(MICE)の獲得
③:ビジネスの拠点確立
■インバウンド需要掘り起こし
外資系ホテルが年間の宿泊客をある程度見込めるのはなぜか。それは会員を抱えているからです。日本ではあまり知られていませんが、海外ではホテルの会員制度が非常に浸透しています。旅行やビジネスでは会員になっているホテルを利用するのが普通です。
ちなみに会員数は以下の通りです。
▼マリオット 5400万人
▼スターウッド 2100万人
▼ヒルトン 4600万人
▼インターコンチネンタル 8600万人
このように、巨大なネットワークができているわけです。ホテルを作ってみたものの、お客さんがこない……。そのリスクを極力減らすことができます。
■国際会議獲得
MICE(マイス)という言葉はあまり知られていませんが、国際会議やイベントのことです。例えば、地球温暖化対策COP21が最近話題になりましたが、あれもMICEの一種です。国際会議には世界中から膨大な人が都市に流れ込んできますので、都市計画には欠かせない要素の一つとなります。
外資系ホテルは世界中にMICEの営業ネットワークがあり、国際会議誘致や獲得に動きやすいというメリットがあります。しかもその道のプロばかり。彼らのロビー活動や情報収集能力はスパイ並みだとも聞いたことがあります。
日本の鉄道系ホテルが国際会議をバンバンとってくるとは思えませんね。金沢市は今後、MICEに相当力を入れるということなのでしょう。
■ビジネス拠点確立
国内外からの人の流れが活発になるほど、ビジネス面での盛り上がりも加速します。都市開発は計画も含め、大阪、名古屋、福岡あたりが一服したように感じます。
次なる開発集中エリアが金沢になりそうですね。
ホテルはその象徴であり、拠点となります。外資系ホテル誕生により、インターナショナル都市としての地位確立を狙うことになるのでしょう。
仮に運営会社がJRだったとしても、ブランドがメトロポリタンだった場合と、マリオットでは、受ける印象も異なってきます(名古屋のマリオットアソシアがその形)。実際、マリオットアソシアでは外国人のビジネス利用が多いとか。
金沢の今後の都市開発が楽しみです。
※ちなみに、金沢エリアはノバレーゼ、エスクリ、アイ・ケイ・ケイといったブライダル企業が、最近になって多数進出しています。ホテル、ウエディング、飲食などサービス業の盛り上がりに更なる期待できそうです。
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【公募のざっくりとした内容】
・スケジュール
平成28年春 ホテル事業者の公募・プロポーザル
平成28年夏 ホテル事業者の交渉権者選定、土地売買契約の締結
平成28年~29年夏 ホテル基本設計
平成31年 開業
・面積等
譲渡対象面積 7,423㎡
最低譲渡面積 4,000㎡
譲渡単価 305,000円/㎡
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