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ビールを飲む理由

飲食店オーナーを目指すサラリーマンが、日々収集したフードビジネスやサービス業についての情報を書き込む備忘録

テイクアンドギヴ・ニーズがホテル事業に参入します!株価は値上がり、その先は……?

ホテル

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要点:婚礼プロデュース業の先駆けテイクアンドギヴ・ニーズが4月22日にホテル開業を発表しました。会社の現在の財務状況や業界の周囲を取り巻く状況を考えて、そのビジネスは上手く行くのか、行かないのか。行かないだろうなぁ、という話。

 

■結婚式場ビジネスの楔が打ち込まれてしまった……

 テイクアンドギヴ・ニーズの発表によると、ホテルの宿泊収容人数は60~70人。そうすると、客室数は30前後と推測されます。場所はどうやら表参道駅から徒歩5分ほどのアウディがあるビルの裏手か、その近辺のよう。オリンピックで代々木体育館が本格稼働すれば、立地は悪くなさそう。

 しかしそれは短期的な視点での話。ホテルはゲストハウス型結婚式場とは違います。そのあたりの基礎固めがどうも弱いように感じるのは気のせいでしょうか。

 ホテルビジネスはそんなに簡単に投資回収ができません。

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■ウエディングは投資家から資金を集めて素早く回収するビジネスモデル

 まずはブライダルビジネスの話から。テイクアンドギヴ・ニーズはかつてホリエモンなどとともに、ITバブルに乗っかった”時の人(会社)”です。同社は銀行から資金を調達せず、投資家から集めました(ホリエモンもそうですが、このことの人たちは、資金の調達法やその運用方法が抜群に上手かった)。

 結婚式場の建設費用を投資家から借りるのですから、当然利回りは高くなります。長期で借りるほど損をする構図ですね。だからテイクアンドギヴ・ニーズは、5年ほどで5億円前後の投資額を回収するビジネスモデルを立ち上げたのです。

 もちろん、”売れる”会場はそれが可能でした。しかし、多くの結婚式場はそれができなかったのです……。

 そのツケが、元本返済を迫られる今ごろになって、表出してきたようなのです。

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■減益、減益、そして減益

 直近の決算、16年3月期第3四半期の連結最終利益は前年同期比59.7%減の3.7億円に大幅減益。会社は通期の利益を従来予想の7億円から2.7億円に61.4%下方修正しました。減益率は30.6%減からなんと73.2%に。尋常ではありませんね。

 少子化、競争激化など様々なことが言われていますが、かつて資金調達した先への返済が全体の利益を圧迫しているような気がしてなりません。

 株価は凄まじい勢いで下落しています。かつて2000円以上していましたが、今では400円台にまで下落しています。

■婚礼業界で先行してホテルビジネスを行う、ベストブライダル、プラン・ドゥ・シー

 ブライダル業界では、どこもかしこも似たようなビジネスモデルを行っています。そこからいち早く抜けだそうとしたのが、ベストブライダルとプラン・ドゥ・シーでした。

 ベストブライダルは2011年にホテルインターコンチネンタル東京、そしてストリングスホテル東京の運営権を買収しました。投資額が膨らんだとしても、この選択は正しい。なぜなら、インターコンチネンタルのブランドの戴冠という大きなメリットがあるからです。

 ホテル業界やホテル通にとって、わけのわからないブライダル企業が手掛けるホテルなど、取るに足らないものと映るでしょう。しかし、インターコンチネンタルともなれば話は違ってきます。ここで実績を積むことができれば、独自のホテルを作ったとしてもおかしくはないですから。

 プラン・ドゥ・シーはどうか。こちらの会社は福岡にウィズザスタイルという都市型ホテルを手がけました。これが大ヒット。20室ほどの客室で、稼働率は90%以上。5万円前後の価格帯だが、グランドハイアットよりもこちらのホテルを選ぶ客が多いとか。

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■地方都市という利点

 ここがヒットした理由はカンタン。地方都市だからです。

 福岡はヒルトン、グランドハイアット、オークラ、ニューオータニといった一流ブランドが軒を連ねる激戦区ですが、ヒルトンは元ダイエーの古い建物、グランドハイアットの運営は地元企業のエフ・ジェイ・ホテルズが手がけています。要するに、ハイブランドに相応しいサービスが受けられるわけではありません。

 さて、とうとうテイクアンドギヴ・ニーズのホテル運営の話に戻ってきました。東京の表参道で、婚礼企業が手掛けるホテルに泊まるかどうか。まず、ビジネスマンは泊まらないでしょう。客室単価は5万円前後はするはず。価格に見合わないものと考えられます。

 では外国人はどうか。ハイクラス、ミドルクラスの観光客、ビジネスマンは泊まらないでしょう。彼らのほとんどは、インターコンチネンタル、マリオット、ヒルトン、スターウッドの会員になっているからです。

 かといって、バックパッカーが泊まるような場所ではありませんね。爆買いの中国人観光客も同じです。

 では、誰が泊まるのか。地方から東京にやってきた人か、ラブホテルは嫌だけど、シティホテルはつまらない。そんな若者たちでしょう。

 ホテルビジネスはファンを増やし、会員を獲得し、レストランや宴会で囲い込みを行う、長期ビジネスの典型例です。サービスで顧客を満足させたとき、初めて別の宿泊施設(同グループの)に送客することができるのです。ブライダルビジネスのように、真新しい施設をつくり、一度限りの顧客を獲得して見送る、それとは180度違います。どうも、そのことが抜けているような気がするのです。テイクアンドギヴ・ニーズ。この先一体どうなるか、注目が集まっています。

 

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【関連News】

 全国でウェディングプロデュースを手がける婚礼大手の株式会社テイクアンドキヴ・ニーズは、2017年5月にT&G初のホテルとなる「TRUNK HOTEL(トランク ホテル)」を渋谷区 原宿・神宮前に開業いたします。

◆ これまでにないコンセプト のホテル事業開始により、新たな市場を創出
 T&Gは「新規出店」「新規事業開発」「海外事業展開の強化」の3つを成長戦略として位置付けております。市場が活況を呈し、建設ラッシュが進んでいるホテル業界に着目し、この度「新規事業開発」戦略の1つとして、これまでにないコンセプトのホテルを開業することとなりました。
 この度の計画地は、日本人だけでなく、近年では訪日外国人も多く集まる渋谷駅・原宿駅表参道駅から徒歩10分圏内という好立地で、情報発信拠点ともいえる渋谷区 原宿・神宮前エリアとなります。話題性のあるショップが立ち並び、感度の高い人々にも人気のエリアで、幅広い顧客層の獲得を見込んでおります。
 ブライダル業界に「ゲストハウスウェディング」という市場を創出した当社が、ホテル業界に「ソーシャライジングホテル」という新たな市場を生み出してまいります。

◆ TRUNK HOTELのコンセプトは、 新しい社会貢献のスタイル「ソーシャライジング」
 T&Gでは、ソーシャライジングを「一人一人が日々のライフスタイルの中で、自分らしく、無理せず、等身大に社会的な目的を持って活動すること」と定義づけ、TRUNK HOTELが多種多様な人々の交流のハブとなり、新しい社会貢献のスタイルを生み出す発信拠点となることを目指しております。
 そこで、ホテルに集まる人々の生活にソーシャライジングを取り入れることを提案し、「“誰かのために” “何かのために”なりたい」、そう思う多くの人々の“何かをはじめるきっかけ”を提供したいと考えています。

 今後は渋谷の第1号店を皮切りに、行政が運営する施設や遊休地の活用および運営受託を通じて、“ソーシャライジングホテル”を積極的に全国展開することで、日本国内における新たなホテルブランドを確立いたします。

 

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